大学入試の英語で問われること
与えられた長文を、すばやく正確に読解すること。
これが大部分を占めます。それゆえ、文法学習も読解できることを基本目標に置くとよい場合が多い。
既存の参考書の順序は必ずしも工夫されているわけではない
例えば、初心者向けの超定番と化した《大岩の英文法》の構成を大まかにまとめると、以下のようになる。
①品詞・動詞・基本5文型
②時制・助動詞
③受動態
④疑問詞と疑問文、命令文・感嘆文
⑥分詞構文
⑦関係代名詞・関係副詞
⑧比較
⑨仮定法
出版が、センター試験でも文法問題が出題されていた2014年であることも関係しているのだろうか。読解するうえでは後回しでもよい項目が序盤に登場している。
それは、時制と助動詞である。これらは基本5文型におけるVとして処理されるものであるから、まずは大凡の意味が掴めればよい。つまり、中学レベルの知識があれば、ひとまず足りる。
5文型の次に重要なのは、接続詞であるが、大岩の英文法では独立した項目として立てられていない(2冊目の英語長文編で詳述されている)。
どのような順序で学べばよいのか?
品詞論と5文型論をおさえたら、まずは接続詞と受動態の学習に移るのがよいだろう。
なぜなら、接続詞が用いられるときは、基本的に省略がなく、SとVがきちんと揃っている場合が多いことに加えて、修飾関係も一義的であり、英文が複雑になりにくいからである。
受動態は、文型論を理解した上で学ぶと、5文型論のよい復習にもなる。
その後は、接続詞との比較において関係詞を学んでいくのがよいだろう。両者とも節構造をもつという共通点をもっているが、関係詞はそこに収まらない特徴を有しているから、それを学んでいくのである。
初級者の最後に待ち構えているのが、
準動詞はこれまで節や語として処理してきたものを、句として処理することを学ぶ。比較構文は、接続詞や関係詞の応用として理解を深めていく。いずれにしても、学んできた文法用語を総動員しながら、用法を整理していく必要がある。
ここを超えれば、後は表現をどんどん覚えていく段階に入っていくことができる。仕組みがわかっていると、暗記のしやすさは段違いである。
英文法の初学者へのアドバイス
まず、品詞論と5文型論は、年下の後輩にも教えられるレベルにまでアウトプットして身につけてほしい。これを怠ると、後の学習が全て遅滞する。マラソンのスタート地点で、シューズを履く作業だと思ってもらえればよい。
その後は、接続詞・関係詞の順番で基礎を抑えながら、準動詞や比較へと食指を伸ばしてほしい。
何にしても初学者はまず、5文型をきちんと理解することからである。
5文型論については、こちらでも詳述しているから、チェックしてみてほしい。