哲学と精読

共通テストは辛い

同志社志望の高3生(13)

英語長文の指導

今回は、システム英語長文Basicの5を扱いました。平易な内容一致などの問題はできていたので、和訳問題の構文を確認したのち、段落ごとに精読を進めていきました。

和訳問題

和訳問題は、必ず正確に構文を把握することから始めましょう。左から順を追って読みながら、文法的な語の役割の可能性を吟味していきます。

今回の英文です。

Just as evolution is a series of trial-and-error experiments, life is full of false starts and inevitable stumbling.

まず、Just as ですが、As の可能性として、前置詞・接続詞・関係代名詞などがありますが、読み進めると、evolution is とあるので、接続詞であろうと期待できます。

さて、そうすると、従属節SVCと主節SVCとを発見し同定できます。接続詞As の意味は様々ですが、形態からして<時・理由・様態>のいずれかであると予想できます。

もう少し形態に踏み込むと、S1・V1・C1:S2・V2・C2となっており、また、意味内容から言っても、V1=V2、C1=C2であることが確認できます。

つまり、ここでは、S1とS2とが、VCという観点において類似しているということが言いたいのだと分かります。よって、様態として訳出すべきであると言えます。

段落ごとの内容理解

第1段落の要旨(学校現場と実社会との対比)は把握できていたので、構文上の論点について解説しました。

簡単にまとめると、従属接続詞節がコンマで区切られない場合があるということと、副詞Soによる慣用的な倒置が論点となりました。

第2段落は、冒頭で教室風景の描写があったのですが、これが少し長い。ここに何らかの筆者の意図なり意識なりがはたらいていると読むことができます。実際に丁寧に読んでみると、「教室のドアは閉ざされ、椅子は教卓に向かって固定されている」といった不必要な描写がありました。あからさまな印象操作とも言えるでしょう。

こういった着眼点からもう一度読み直すと、「生徒の脳に情報を注ぎ込む」とか「生徒はテストに出るのを知っているため、慎重にメモする」とかいった言葉遣いも、印象操作として理解可能になります。

この辺りの記述はかなり一面的です。知識や情報がなしに判断力を養うことはできませんし、生徒も常にテストを気にして授業を受けているわけではありません。先生の話が知的に面白くて一生懸命に聴くということも十分にありえます。まあその程度の英文であるということです。

さて、筆者は大学卒業後の人生は、こうした学校生活とは全く異なるのだという対比を引き続き導入して話を進めていきます。こちらはまた次回。