正しい方法によってこそ成果が得られる?
裏を返せば、正しくない方法によっては成果は得られないということになる。
これは当然のことではないかと思われるかもしれないが、厳重に受け止めるべき命題である。
今あなたが勉強法について調べているのだとしたら、こう問いたい。
今現在のあなたの勉強法は《正しい》のか《正しくない》のか?
もし《正しくない》と明確に認識しているのであれば、今この記事は必要ないから、様々な勉強法を探索し、実際に試してみてほしい。
翻って《正しい》と明確に認識している人は、ほぼいないだろう。そうであるなら、この記事を読むより、その方法を実行しているにちがいないからである。
成績が伸びないから、勉強法を調べてしまう
今の自分の勉強法を続けていて、成果が出るのか《不安》だからこそ、勉強法を調べているという心理・人情をまず率直に認めよう。
そしてまた探し始めるとキリがないということもご存知のはずである。
以下では、勉強法を勉強する際の着眼点をお伝えしたい。
1.情報ソースを限定する
まず排除すべきソース
【リアル】:友人知人・噂話
理由は簡単である。
①匿名性が高い
②場当たり的で、一貫性のある情報が提供されない
③あなたのことをよく知らないから、《発信者の想定する一般人》に自分が当てはまらない場合がある
次に参考にすべきソース(叩き台)
【リアル】:あなたを個人的に知っている教師
【ネット】:有名講師など、氏素性が明らかな人物
教育系YouTuberはどうかというと、十分参考にはなるが、③の観点から取り扱いは注意である。(有名講師は指導経験からより妥当な一般論を語ってくれるが、過度な信頼は禁物である)。
また、情報を得るときは、情報のまま摂取するのでは、必ず行き詰まる。
情報の背後にある、発信者の考え方・ものの見方に接近するつもりで、真剣に聴いてほしい。
2.得られた情報を統合する
必ず複数のソースに当たり、それらを自分の状況に合わせて、統合しよう。
《言われた通りにやる》のは素直で結構なのだが、そっくりそのまま自分にぴったり当てはまることは稀であろう。信頼できる発信者の考え方に基づいて、自分の状況を判断すべきである。
3.試行錯誤を繰り返す
実はこのステップが最も重要である。
そしてまた終わることのないステップでもある。
理由は簡単で、自分の置かれている状況が変わるからである。
試験直前か1年前なのか、成績は上がり具合などと状況は刻々と変化している。だからこそ、状況に応じた判断が必要であり、勉強法は常にファインチューニングを必要とする。
質の悪い受験生が陥りがちな思考法
私はこれをチンカスの思考法、あるいはマニュアル人間のサイボーク化と呼んでいる。
曰く「正しい方法に則れば、成績が伸びる」という短絡的で惨めな学習観である。
香り高いこのチンカスは、由緒正しい勉強法を振りかざして得意げにマウンティングする。なお、成績はお察しで、受験末期には紋切り型の「大学受験批判」を展開し、意識高い系大学生となる。
これは一種のカリカチュアであるが、誰しもが抱える希望的観測である。
正しい勉強法は…存在しない
存在するのは《自分にあった勉強法》である。
そして、それはリアルの世界にも、ネットの世界にも転がってはいない。
それはあなたの中にある。
発掘しなければならないもので、他者からの贈り物ではない。発掘作業は土埃にまみれた泥臭いものであるほど、私は美しいと思う。