哲学と精読

共通テストは辛い

同志社志望の高3生(15)

現代文の指導

4/10(水)の指導

『現代文読解基礎ドリル』の演習4・5を扱いました。

演習4は《論と例》の演習問題でした。文章における論と例、それぞれの該当箇所を指摘してもらいながら、論証構造を確認していきました。

今回取り上げられていた例は、西洋の文学や美術だったので、とっつきにくい点がありましたが、論と例との対応関係をおさえながら、読み進めていけば読解は十分可能であることを確認しました。

《例》と一口に言っても、比喩であったり、引用であったり、色んな例証の仕方があるということも実地で確認できました。また、論述をまとめて締めくくる働きをしている「つまり」についても学びました。

演習5は、第2章に入り《対比》に注目していきます。

本文では、観阿弥世阿弥とが対比され、狂気に陥る原因の捉え方において相違がみられるということでした。対比を導入する語句に注目しながら、対比されている2項の共通点と相違点とを確認することの重要性をお伝えしました。

アメリカニズムの終焉』を読む

第4章を読み進めています。冷戦体制がどのようにして構築されたかを、その一般論との対比しながら、筆者が検討していっています。

一般的に冷戦体制は、共産主義イデオロギーの拡大に対する自由主義諸国による防衛と理解されていますが、筆者が指摘するのは、スターリンの本当の利害関心です。

歴史的にみて、国際政治におけるスターリンは、理想的な共産主義の建設ではなく、自国の安全保障ばかりを気にしていました。また、チャーチルルーズベルトとの会談においても、バランス・オブ・パワーの発想に基づいて、交渉がなされました。

それゆえ、終戦前後においては、両者の対立を自由主義共産主義という図式で理解するのは早計ということになります。

さて、後にこのバランス・オブ・パワーの発想から別の考え方へ転換するわけですが、その内容は次回に持ち越しとなります。